<ダンスリズムを考える>
元来、ダンスのリズムとは生活に最も密接した音がその地域・人種のリズムとなったと私は推測しています。
ー例ー
生活の中で馬を多く使う種族の場合は馬のひずめのリズム→カントリーリズム
町の騒音からロックが生まれたとも言われています。
<ソウルリズムの起源とは?>
アフリカの大地で、獣を追いかけ狩猟を終えた休息の一時自分の心臓の鼓動がドクッン・ドクッン・ドクッン、そんなところからリズムが,始まり特有の歩行リズムと変化して行った物と推察致します。
実際にバナキュラーダンス(土着舞踊)のリズムが奴隷制度によりアメリカに移りケーキウォークが生まれ奴隷解放後のゲットーや様々な時代の流れを経て、現代のヒップホップになっても、その”血”であるリズム感は脈々と彼らの身体に流れています。
黒人歩行リズム=タメてがら右足一歩踏みだす→タメてがら左足一歩踏みだす→タメてがら右足一歩踏みだす
<アフタービートを考える>
ソウル・ファンクリズムの最も特長的な処は、やはりアフタービートが主体で構成されていることです。
注:私はカウント概念が無いので1が先なのか?&が先なのか?何時も悩みますがようは”感覚”でリズムを捕らえて下さい。
ソウル・ファンクの特徴を感覚的に表現すると→ズン・チャンこの”チャン”の表現を強調致しますが、あくまでもズンがあるからチャンが引き立つ、ズンからチャンの抑揚を大切にしたところが、最大の特長と言ってもよいでしょう!
<黒人リズムの特徴>
黒人的リズム(アフタービート)=ズン→チャン(1拍)
エキストラカウント(オフビート)を重要視する=チャン(オンビート)とチャン(オンビート)の間音ズン
スイング感覚=ポリメトリックスイング(多拍子)何拍子と決まっていない。
ポリリズム:1小節ごとにリズムが違う
<白人的リズム>
白人的リズム(レギュラービート・オンビート・ダウンビート)=チャン(1拍)
エキストラカウントを重要視しない
何拍子か決まっている
<1拍をどう聞くか?>
リズムの最小単位は1拍です。この1拍の間をどう感じるか?です。1拍の間隔は均等ではありません。当然その中のは刻みもあれば引きもあり前半を強調することもあれば後半を強調することもありますが、とにかくリズムが深いここいらへんに黒人リズム感があります。
ズンチャン・ズン〜チャチャ・ズンズンチャ・ズズズズズズチャン!
ズンをどう感じるか?に鍵があります。
<マルティプリケイション>
アフタービートを基本に踊るダンスはカウント1からは始まらず&1&2と&から始まります。当然アフタービートである1のポーズが基本になりますがリズムとしてその前に予備動作である&がある訳です。簡単な例をロッキングで例えて見れば&=テゥアロー1=ポイントとなる訳ですが、実際には予備動作は一つのリズムではありません。ズンチャンだけで無くズンズンチャンだったりズンズンズンズンズンズンチャンだったりズ〜ンズズチャンだったり様々な刻みや伸ばしの予備動作がありますこれらのリズムを身体で表現する総称をマルティプリケイションと呼びます。
様々な楽器で音楽が構成されているように、身体のリズムもその様々な楽器に合わせて、手足はベース・腰胸はドラムというぐあいにバラバラに違う楽器のリズムを感じて踊ることもマルティプリケイションの一つです。
<シンコペイション感覚>
マルティプリケイションが身体に染みついてくると今度は音で遊ぶことが出来るようになってきますわざとリズムを表現しないリズム感がシンコペイション感覚です。例を上げると&1&2&3&4を&1&○&○&4とか&○○○○○&○というぐあいに○のところを表現しないわけです。これを表現するには身体のなかに正確なリズムボックスを持っていないと、単なるリズム音痴のダンスになってしまいます。
<体内リズムボックスを身に付けるためには?>
シンコペイションにしろマルティプリケイションにしろアフタービートを基本とした黒人音楽をとにかく多く聞き込むことで、この感覚を養うことが出来ます。実際に私の経験からも最初はただこのての音楽やダンスが好きで黒人の中にまじり踊っている内に、自然と身に付いたものです。別に最初から専門的な練習をした訳ではありません。専門用語もここ最近生徒に教えるために本で確認した知識です。ドラムやチョッパーベースのきいたファンクリズムが特にこの感覚の身に付けるには有効です。又時々音楽をかけないで手拍子や声で擬音(ヒューマンビートボックス)を出してリズム遊びをしてみるのも効果的です。
<カウント概念>
バナキュラーダンス(土着舞踊)の特徴であるアフタービートを説明する時カウントに直す自体に、多少無理があるのでは?と私は感じます。実際にカウントには直す事は可能なのですが?本来カウントで音楽や体内リズムを感じている訳ではありません。私がその昔ダンスを黒人達と揃えて踊っていた頃のカウントは4と8では無く3と7と15で数えていました。1小節4カウントを3で数えるのです。そうするとこれが不思議と音楽にピタット合った振りが出来てしまうのです。これは現在の8カウント概念とは全く異質な物で共通の感覚を持っている者同士で無ければ伝わらない物差しです。当然カウント4も8存在はしていてそこのリズムも当然とっているのですが、最初からそんなところに意識はありません。それはビート間に最初からタメがある事と絶対リズム感が存在するから成立する話しなのです。ようは本来の8カウント中のカウント3の部分とは全然違うところにその3は存在していている訳です。
ナチュラルに音楽の色々音を感じて身体が反応しているだけで、元々8カウントどころか8ビート16ビートと言うような概念すらも存在しないのがバナキュラーダンスの特徴です。
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